第50話


ついに、ライブの日となりました。
ライブの舞台の前には、生徒達の両親方と、先生方が居る。舞台上の片隅には、司会を務める妲己。かぐやは生徒達の衣装合わせをしている。舞台上の中心には、ベースを持った太公望殿、ギターを持った悟空、ドラムの椅子に座る酒呑童子、キーボードの前に立つ三蔵様の四人。そして私は、部屋の中でタカ丸に髪の毛をお願いしていた。



「はい、髪の毛出来上がりです!!」
「ありがとう」



髪の毛は少しウェーブを掛けてもらった。髪飾りは薄ピンク色の小さな花が集まったもの。首には、ダイヤの形をしたネックレス。衣装は、大胆にも鎖骨あたりが全体的に空いた丈が膝上までのもの。基本の色は黒で、所々に白と薄水色がある。そして、膝までの黒いブーツ。



「小雪さん、凄く綺麗です!!」
「ははっ、煽てても何も出ないよ」



そう言って笑う私。ちなみに、四年生の格好は薄紫の袴姿に、金色が混じった派手な羽織を着ている。タカ丸曰く「髪の毛は皆下の方で結っている」らしい。「じゃ、私は行くね」とタカ丸に手を振り、用意された着がえ部屋から出る。いや、タカ丸の前で着替えたわけではないのだ。着替え終わった後に、廊下で待機しているタカ丸を呼んだのだ。どうか、誤解をなさいませぬよう。外に出ると、真っ先に目に入ったのがくのたまの子達だった。



「あ、小雪さん!!」
「やほ。へえ、皆よく似合ってるね。可愛いじゃん」
「小雪さんだって綺麗じゃないですか!! あ、私はトモミです!!」
「おシゲでしゅ!!」
「トモミちゃんにおシゲちゃんね」



くのたまの子達の衣装は、まるでA○Bのような桃色チェックの衣装だった。全員カチューシャを付けていて、髪の毛は降ろしていた。周りを見てみると、五年生と六年生以外の皆が既に着替え終わっていた。お兄ちゃんはスーツ姿。三年生は、蕾や花弁の柄がある着物。二年生は、背中に昇り龍が描かれている甚平。一年生は、コ○ンのような子供用のスーツ。



「小雪さん……?」
「はーい。……あ」



名前を呼ばれ、後ろを振り向く。そこには、五年生が居た。私の名前を呼んだのはハチだったらしい。ハチは、私の姿を見て顔を真っ赤にした。



「〜〜っ……!!(可愛すぎだろぉぉおお!!)」
「あーらら。ハチってば、また自分の世界に入っちゃってる」



どうやら五年生の衣装は、私達平成時代の服らしい。ハチはカジュアル系、鉢屋はお兄系、不破はきれいめ系、久々知はコンサバ系、尾浜はサロン系といった服になっている。皆、元が良いからとても似合っている。うんうん、凄くかっこいい。



「小雪さん綺麗。今度一緒に出かけませんか?」
「ありがとう。でもナンパはお断りだ馬鹿め」



真剣な表情で言う鉢屋を、私はバッサリと切り捨てる。本気じゃないくせによく言うよ。



「キャー!! 見て、六年生よ!!」
「え!!? 凄くカッコイイ……!!」
「思わず見惚れてしまいましゅ……」



三人の言葉が聞こえ、私達は六年生へと目を向ける。六年生はキラキラしたオーラを纏い、皆の注目を浴びていた。お母様方も、お姉様方も、他の女性方も、六年生達を見て頬を赤く染めている。



「もしかしたらコレで金儲けできるんじゃ……」
「きり丸みたいなこと言わないでくださいよ」
「それに、きり丸なら既に写真を撮ってますよ」
「何!? きり丸、侮れん……!」



再び六年生へと目を向ける。
立花は藍色、潮江は青色、七松は赤色、中在家は橙色、食満は黄色、善法寺は桃色を担当するようだ。七松と中在家はいつもの髪型。しかし、他の四人は違った。潮江と食満は下の方で結っており、各色のピアスをつけている。立花は右下で結い、善法寺は左下で結い、左右対称にしているようだ。……さて、そろそろライブが始まる時間だ。

 
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