4杯目




決まって8時にこの店にやってくる彼は、毎日来ているわけではないらしかった。


ユーリさん曰く、菜摘のシフトの時だけに来るの! ストーカーだったりして、とか。


言っておくけど、わたしは平凡中の平凡で、ストーカーされるほど可愛くないし、この人ならわたしなんかよりもっといい人が寄ってくるだろうから、その線はたぶんない。


てか、絶対ありえないでしょ。


でも決まって彼はわたしのレジにやってきて、その可愛い顔で無邪気に笑って言う。


「ミルクティーください」


このもはや決まったやり取りにため息をつきそうになるのを我慢して、わたしもにっこり笑って返す。


「申し訳ありませんが、ここはコーヒー専門店なので」


ミルクティーなんてあるわけがない。





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