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ルフィにとって一番の楽しみは学校で仲間と共に取る昼食である。


「サンジー!!腹減ったー!」

「もう少し待ってろ!ナミさんとビビちゃんの分を取り分けてからだ!」

ルフィはまるで待てが出来ない犬のようにキラキラとした瞳でサンジの弁当を見ている。その視線から隠すようにサンジは弁当の中身を綺麗に取り分けていた。取り分けられたそれは弁当といいよりも高級レストランのメインディッシュのような、計算され尽くした美しさを出していた。

「うっひょー!!うまほーっ!!」

「当たり前だ!この俺が作ったんだからな!」

ルフィ達はいつもサンジが作って来る弁当を食べている。
料理人を目指しているだけあってサンジの作る料理はとても美味しい。カロリーも抑えめににしてあるため、モデルの仕事をしている大食漢のルフィには安心してたっぷりと食べられる有り難い食事だった。
例え高カロリーだったとしても、やはりルフィはたっぷりと食べていただろうが……

「ンナミっすわぁーん!!ビビちゅわぁーん!!!お待たせ、ご飯の準備が出来ましたよぉ〜!!!」

「ありがとう、サンジ君」

「あ、ありがとう、サンジさん」

眼からラブビームを出しながらナミとビビの二人へ綺麗に盛りつけた皿を手渡すと同時に、待て状態のルフィをちらりと一瞥する。

「どうせお前らは盛りつけたって眼で味わう前に食い尽くしちまうんだ。勝手に食え」

いつものサンジの台詞が耳に届いた瞬間、ルフィとウソップの『いただきまーっす!!』という声が青空いっぱいに響いた。
ガチャガチャとフォークとフォークがぶつかる音を立てながら、騒がしい食事が始まる。

「こらルフィ!肉ばっか食うな!野菜も食え!!」

「野菜はエースがいっぱい食わせるからいいよぉ!昼間ぐらい腹一杯肉食わせろー!」

「そういえばエースさんとは仲良くやってるの?」

「おう!!たまに食べすぎだって怒られるけどなー」

「そいつぁ、俺も同意だぜルフィ。モデルなんて仕事してるくせに体型管理なんてやったことないだろ?」

「そーゆーのはエースがやってくれっからなー」

「凄い人ね、ルフィさんのマネージャーさんって」

「エースは本当にすげぇんだ!!飯も美味いし仕事もバンバン取ってくるし、格好良いし、優しい!!」

野菜いっぱい食わすのは嫌だけどなと小さく付け加えながら、自慢げに、嬉しそうに、マネージャーについて語る。そんなルフィにウソップはからかうように言った。

「お前って本当にエースさんのことが好きだよなぁ!」

「おうっ!!大好きだ!」

満面の笑みを浮かべて答えるルフィに思わずウソップも微笑んだ。



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