知らない街
僕たちは、旅人の街に来た。見たこともないものがたくさんあって、いろいろな格好の人がたくさんいた。
「ねえ大賢者さん、ウィーフィーってなあに?」
「知らないですね。後で本で調べましょう」
ファストフード店でチーズバーガーを食べながら、僕たちはずっと窓の外を見ていた。大賢者さんはシェークとかいうどろどろしたアイスを啜りながら新聞を読んでた。
「近頃はすごい技術がたくさんありますね。ハンバーガーなんて昔は野生のかいぶつを倒さないと食べられなかったのですよ。……食べ終わりましたし行きますか。」
僕は、このお店では多くの人が四角い鏡を見ながら親指で撫でている景色を不思議に思いながら席を立った。
うたた寝する人やチェスのようなものをする人、何かの交渉をする人、待ち合わせをする人…たくさんの人が午後の優しい日差しに照らされていた。
僕たちは街を歩いていろいろな景色を眺めた。飲み物を売る機械、お菓子がなんでもある狭い店、文字が浮かぶ手鏡、揚げ物の屋台、喫茶店、薬屋。
「確かこの辺りに…あったあった。今日はこの民宿に泊まりますよ。」
大賢者さんがチェックインしている間、僕は古いテレビを眺めてた。
ガラパス島というリゾート地が映ってた。
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