黄昏チョコレイト
「あげる」
先輩が笑顔でチョコレートを渡してきた。
今は冬。相棒はゲラゲラと笑った。
「お前…今、秋だぞ。秋。バレンタインにしては早すぎないか?」
笑う相棒。先輩は怒るどころか、微笑みながら、さらりとこう呟いた。
「私、好きだから、もっと喜んでほしくて」
「え、お前今なんて」
「相棒が好きだから、もっと喜んでもらいたくて」
相棒の笑顔に先輩は、「ありがと」と小さくつぶやいて銀紙をはがした。
「半分こ、しよう?俺も、先輩が喜ぶところ、見てみたいから。」
日が傾いた、黄昏時の光が、二人をやさしく包み込んだ。
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甘いものって、人を幸せにしますよね。
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白昼夢がお送りします。