夢見がわるいようで


「う゛ぉい、」

今、私の隣で一緒に寝ているはずのスクアーロの髪が短い時点であぁこれは夢なんだとわかった。

「どうしたの?」

そう答えて勝手に動く私を私は自分の中から見ていた。

「ボスもなぁ、正式に十代目になれただろぉ?だから今いろいろ忙しくてよぉ」

あぁそうかこの髪が短いスクアーロとその恋人の私がいる世界はあの時、沢田たちに勝ったのか。

それなら確かにスクアーロは当初の誓いどおり髪を切るだろう。
そしてザンザスの、十代目の右腕として、やっていくんだろう。

「だからその……お前にしばらくまた構ってやれねぇんだぁ」

「別にいいよ」

「ほんとごめんなぁ」

そう言って申し訳なさそうな顔をするスクアーロ。

でもそんな申し訳なさそうな顔をしなくてもいいのに。

スクアーロの一番はいつだってボスで私なんかじゃないじゃないか。

私はそれをよく知っているんだ。別にそれでもいいと思っているんだ。

だけど、やっぱり私を見て欲しい、スクアーロの一番にしてほしい。

とっくに諦めたはずなのに。

なんて夢を見たんだ、また思い出してしまったじゃないか。

「スクアーロ……」


どうやら夢見が悪いようで