何か本当何の冗談なのかわからないんだけどノボリが死んだ。自殺かどうかはわからないんだけど傍から見ればまるでホームに身投げしたみたいだったって。それで即死だったそうだ。
ミンチになったノボリはそのまま火葬場送りになった。
クラウドとかが僕にお悔やみの言葉を何か言っていた気がするんだけど、正直よくは聞いていない。
盛大なドッキリに見える盛大な葬式の人ごみの中に、僕はあの子を見つけた。
ノボリの恋人であるところの彼女に僕は声をかけるべきだろうか、遺族として。
そう迷っている間に彼女のほうが僕を見咎め、はっとした顔で、というか鬼気迫る顔で血がづいてきた。
「ノボリさん!」
え? ぴしりと固まった僕を見上げて僕の手を親しげに握って、彼女は矢継ぎ早に僕に訴えかけた。
いわく、
「いい加減にしてくださいノボリさん、あなたはノボリさんですクダリさんは死んだんですだから今ダブル運休になっているじゃあないですかいくら白いコートを着て笑顔作って口調を変えてもあなたはノボリさんなんですクダリさんにはなれないんですお願いですめを覚ましてください!」
そんな事を言われても僕はクダリだしどうしようもない。彼女は勘違いをしている。
でも僕は本当にクダリなんだろうか死んだのはノボリでしょあれ、僕は、クダリだよね、僕は、でも確かに死んだのはノボリだしえ、あれ、僕は、僕なんだよね私ではなく?僕は、私は、いやだ助けて、自分は、どちらだ。
ふと目に留まった遺影は確か初勤務当時の物で、なんだ無表情だじゃあノボリだやっぱり、死んだのはノボリだ、あぁでも思い出したあの写真は私がクダリを怒って二人とも無表情で撮ったんだったじゃあ結局私はどっちなのだろう
おかしくなってるのは、こちらなのか彼女なのか。
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解釈はお任せします