かつん、かつん、と彼の靴音が聞こえる。
「ノボリさんって兵隊みたいですよね」
一定の歩幅で歩いているところだとかだとか。表情を崩さないところだとか。
「そうでございますか?」
あんまり意識した事がないもので、と彼は言う。その手には銃が握られている。
「そうだよ、武器の扱いとかもさ、」
今さっき手際よく彼が頭をぶちぬいた死体を片付けに私は参上したのだ。
「毎度毎度ありがとうございます」
「いえいえ仕事ですから。ノボリさんのお仕事がダイヤを守る事なら私の仕事は清潔感を
保つ事ですし」
そんないつもどおりの受け答えをした後に私はゴミ袋を肩に担いで彼に別れを告げる。
「それでは、兵隊車掌さん」
そう皮肉を呟く。
どうせ彼は車掌なのだから、つまりはただの兵隊ごっこである
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365:兵隊遊び没。
なんだかよくわからないものになってしまったので。それに兵隊ごっこの方がしっくりくるので