真夜中、台所の方で物音が聞こえると思ったら大きな(そしていい年をした)ネズミがいた。
「ネズミ捕りを買ってくるべきかもしれませんね」
「おじさんネズミ扱い!?」
「泊めてくれた人のうちの冷蔵庫を勝手に漁ってこの程度で済む分ありがたいと思ってください」
しかも酔った勢いで勝手に上がりこんで。本当にこの人は。
「いやー酔い覚ましに甘いもん食いたくてよ」
「絶対それ酔い醒めませんよ。まだ酔ってますねあなた」
「そんなことねぇよぉ?」
うそをつけ。
「というかアイスなんて置いてませんよ。食べませんから」
「や、この前置いていった分があるはずなんだけどな……」
いつの間にそんな事を。
ごそごそと人の家の(しかも僕の家の)冷蔵庫漁りを継続するおじさん。
「お、あったあった。」
目当てのバーアイスの箱(箱!)を見つけてぱあっと笑顔になり、ぺりぺりと箱を開けアイスを取り出すおじさん。
「小学生みたいですよ」
「るせー」
アイスを開けるおじさん
「夜に甘いもの食べると太りますよ」
おじさんがアイスをくわえた後で言う
「…………」
「娘さんに嫌われますよ」
「…………なぁバニーちゃん」
「そんなおじさんの食べかけなんていりません」
「ですよねー」
肩を落としたおじさんの肩を掴み目線を合わせる。
「それより僕は他のものが食べたいです」
「え?」
僕は怪訝な顔をしたおじさんの肩を引き寄せた。逃げてしまわないように。
In the Night Kitchen-------------------------------------
365企画「深夜の甘味」ボツ。
ほぼピクシブ知識なのでいろいろスルーしたってください。
タイトルは絵本「まよなかのだいどころ」の原題。
あれもう一回読みたい。内容抜けてる。