私にさようならと言わせないで

彼女は彼女に不釣合いな無骨なボストンバックを持って、ノボリの家へとやってきた。

「まるで家出少女でしょう?」

そう彼女はくすくすと笑う

「いつでも出て行けるように、なの」

「……ご冗談はやめてくださいまし、」

彼女はノボリがそう嗜めるのを無視して、歩き出した。

「お持ちいたしましょうか?」

「お構いなく!」

私にさようならと言わせないで



[目次]



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -