もっと奥まで突いて

「先生、ね、もう逃げないでくださいよ」

俺に馬乗りになった彼女が言う。

「何を言っているのかな」

俺がそう尋ねると彼女はにこりと笑って私から逃げないでくださいよう、そう言った。

「逃げるなんてしていないよ?」

なんのことだろう、と彼女の腕をそっと掴んで俺の胸から退ける。

「うそ、だって間桐先生ずっと私のこと避けてる」

「…………」

それは否定できない。けれど。

「君は俺のことを何も知らないだろ?」

「先生も私のことを何も知らないじゃない」

それはそうだ、一瞬納得しかけた。

「だから先生もっとお互いのことを知るべきだと思うの」

彼女はもう一度俺の手をとって、自分の胸に持っていった。

「ちょっとそれは生徒教師間ではまずいなぁ」

「心配しないでください先生」

彼女は俺の手をずぶり、と自分の胸にめり込ませた

もっと奥まで突いて



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