you know what ?

「確かに私は貴女さまの事を何も知りません」

「そして知ろうという努力もなさらなかったわ」

不釣合いなボストンバッグを持って、にこにこと彼女は笑いました。

「十全に理解する必要はないと思うしそれは不可能なことだと思うけれど、少しでも知ろう、という努力すら怠られてしまうなんて。」

「貴女さまがこのようなことをなさる人だとは思いませんでした」

私がやっと絞り出したその情けない言葉に彼女は、哀れむ目をしてこう答えました。

「だからね、あなたは私の何を知っているの?」

you know what ?



[目次]



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -