創造の罪と破壊の罰

彼も(あるいは彼女かもしれない)は、よく遠くを見つめている。

太古の昔に、思いを馳せているのかもしれない。彼の瞳らしきそれから、私は表情を読めたことがないのだ。

(そんな体たらくじゃあ、パートナー失格かしらね)

随分と大きな図体をした彼を私は見上げる。何度その肩に乗って空を飛んだことか。

小さな頃見ていたロボットアニメに、彼みたいな心優しい人工物が出てきたような

(もっとも最期には、彼らはいっせいに溶解炉へ飛び込んでしまったのだけれど)

「ねぇゴルーグ、あなたは一体誰に作られたのかしらね?」

そして私の前の、マスターはどんな人だったのかしら。

創造の罪と破壊の罰



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テーマ「人外ファンタジー」
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