褒め言葉として受け止めておこう

「褒め言葉とってよろしいですか?」

大人気ないだの容赦ないだの、一回り近く年の離れた少女に好き放題言われた後、男はそう答えた。

「思い切り嫌味のつもりだったんですけど」

だっておかしいじゃあないですか、そう彼女は眉間に皺を寄せる。

「トウコちゃんかトウヤくんと行くマルチより、シングルの方が明らかにノボリさん強いじゃないですか。それにその事をトウコちゃんに愚痴ったらなんですか、なんで私のときだけノーマルトレインでスーパーの手持ち使ってるんですか」

「貴女様に負けたくないからですよ」

至極簡単に彼は答えた。

「……理由をお聞かせいただいても?」

「貴女様はきっと、負けず嫌いで飽き性な性質でしょう。ゲームなどもクリアするまではやりこみますがクリアした瞬間にはもう興味が他に移っている。違いますか」

立て板に水とばかりにすらすらと彼は言う。

「確かにそれはよく言われることですけど、何故ノボリさんがそこまで把握しているんですか」

バトルを見ていれば分かることです。とこれまた当たり前のようにノボリが言ったものだから、彼女は呆れたように口をつぐんだ

褒め言葉として受け止めておこう



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