君が望んだ七つの自由
自由になりたかったんでしょう。と言うと彼はばつの悪そうな顔になった。
「あなたが自由になった代わりに鶴野は自由でなくなったのよ。その義務としてあなたはこんな家と関係なく、自由でい続けるべきだったのに。」
ひっそりと私は笑ってみせる。
「慌てて今更自分の尻拭いにきたのでしょう。エゴのひとつも貫ききれないだなんて」
自分のせいだと自責の念にかられるのなら、最初からしなければいいのだわ、
「本当あなた馬鹿な男ね」
(彼女のことなんて早々に諦めて、私で妥協しておけばよかったのに)
君が望んだ七つの自由
[目次]