寂しさを纏うまでの苦しみ

仕事で何度かあったそのフリーライターは、ひどく寂しそうな目をしていた。

一見人懐こくて社交的なその男は、その実誰とも親密にならなかった。

(だから、消息不明になってからの足取りがつかめないんだ)

何故私がこうして執念深く彼を追いかけているのか、だなんて理由はひどく単純で。

つまり私は彼に片思いしているのだ。彼のその優しさに、うっかりとほれ込んでしまったのだ。

(表面上のそれに騙されるなんて愚かだと笑えばいいじゃないか)

でも彼は、優しい人だ。それだけは間違いようがない。

寂しさを纏うまでの苦しみ




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