君の世界が眠りにつく

とても楽しい夢を見た。

俺は子供の姿で、あおく広がる野原に立っていた。周りにはもうずうっと前にいなくなっていた奴らが微笑ましげに俺を見ていた。

向こうの方で、あいつが赤いその目をにやりと細めて俺の名前を呼ぶから俺は、今行くと手を振って駆け出した。

どこにでも行ける気がしたし何でもできると思っていた。それに、誰にも負けない自信だってあった。

すぐに奴のところまで追いついて、捕まえたとその手をとったらふわりと場面が転換して、私の手をとって優しくエスコートしてくれたのは彼だった。

「女性がそのように慌てて走るのはあまり好ましくないですよ。裾などを踏んで転んだりなどしたら、」

心配そうに彼が顔を覗き込んでくるから私はどきどきしてしまう。

大丈夫です、ありがとうございますとそう言って私は彼から距離をとった。

女の子、扱いはまだ慣れていないのだ。どうしていいかわからなくなる。

あいつが馬鹿にするのなら、慣れっこだったのに。

君の世界が眠りにつく




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