夢追い人は不眠症

ねぇランスロット、今日も彼はまた眠れていないのね。

私がそう言うとランスロットは切れ長の目を伏せ、傷ましげに頷いた。

雁夜がこの家に戻って来て、蟲攻めに耐え切って、ランスロットを召喚した。

きっとすぐに聖杯戦争は始まってしまう。今は休息すべき時だというのに、英霊を召喚してこの方、英霊を限界させ続けるために少しでも魔力は使われ続けている。そしてその魔力は彼の体内にいる蟲から搾り取られているのだ

私が魔力供給を肩代わりすると申し出たけれど彼は君まで巻き込むわけにはいかないと言った。

「本当に馬鹿な人だと思うわ」

ランスロットはとっくに霊体化していて、私の言葉は独り言として部屋に響いた。

雁夜のうめき声がかすかに聞こえていた

夢追い人は不眠症



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