君が死ぬ瞬間を眺めていたい

自分の目に彼の首は、ひどく白く細いものに映った

「どうしたんだい?」

首を見ていたのだが彼には顔を見つめているように思えたらしい。

この距離感ならしょうがないだろう

「あぁいえ、何でもありません」

非礼を詫びいったんは視線を外したものの、また無意識に視線をやってしまう。

自分の無骨な厚い手を彼の首に回したならば、とどうしても考えてしまう。

「ねぇ綺礼、具合でも悪いのかい?」

首を傾げ心配そうに自分の顔を覗き込んでくる師。

まるで子供にするようなそれに、綺礼はふと目元を緩ませた。

もっとも付き合いの浅い彼にそれがわかるはずもないのだ

君が死ぬ瞬間を眺めていたい



[目次]



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -