君が死ぬ瞬間を眺めていたい
自分の目に彼の首は、ひどく白く細いものに映った
「どうしたんだい?」
首を見ていたのだが彼には顔を見つめているように思えたらしい。
この距離感ならしょうがないだろう
「あぁいえ、何でもありません」
非礼を詫びいったんは視線を外したものの、また無意識に視線をやってしまう。
自分の無骨な厚い手を彼の首に回したならば、とどうしても考えてしまう。
「ねぇ綺礼、具合でも悪いのかい?」
首を傾げ心配そうに自分の顔を覗き込んでくる師。
まるで子供にするようなそれに、綺礼はふと目元を緩ませた。
もっとも付き合いの浅い彼にそれがわかるはずもないのだ
君が死ぬ瞬間を眺めていたい
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