既に私は死んでいるのです

「すみませんが、遊園地行きのホームはどちらになるでしょうか」

困ったように眉を下げて訊いてきたその女性は、透き通る程白い肌に真っ白なワンピースといった浮世離れした雰囲気の方でした。

「あぁ、それならここから遠くないホームです。よろしければぜひご案内させていただけないでしょうか」

「ありがとうございます。優しい車掌さんに会えてよかったです私、あまり一人で外に出たことがなくて」

彼女はどこか安心したように笑いました。



クダリさんまたノボリさんが一人でぶつくさ言いながら歩いていたのですが、と心配そうにカズマサが言ってきた。

たまにあることだよまた見えてるんじゃない?と僕は困ったものだという風にため息をつく。

「ギアステーションが魑魅魍魎の巣窟になる前にああしてノボリが無意識に活躍してるんだけどさ。まぁ、やばいのが来てたらシャンデラが黙っちゃ居ないだろうし」

そもそも僕も連れて行かせる気なんてないし、と言うと、

カズマサは安心したように笑った。

既に私は死んでいるのです



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