夢だといって夢でもいいから


「好き、なんスよ」
ぞわり、とその言葉が鼓膜を振るわせた。
背中をつめたい汗がつたう。俺、本気だから、と彼は言う。

「嘘でしょう?」
「本当、なんだけど」
むしろ嘘だと言ってほしかったんだけれど、彼はそれを察しない。

「ね、それでさ、俺と、俺と付き合ってくんない?」

彼の金髪がさらりと揺れる。

「い、」

いやだ、と私は言いかける。けれどここは教室だ。クラスの女子の視線はすべて私に集中している。

(ちょっと、やだ、ほんと、勘弁してよ、)
これは一体どんな選択肢をとればいいのだろう。

夢だと言って夢でもいいから



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