きみを救えた試しが無い

いやぁ、だってどうしようもできないのだ自分じゃあ、
泣いている彼女に俺が、何か気の利いた、言ってしまえば彼女が今求めているであろうせりふをかけるのは容易い。けれど俺の言葉じゃ彼女は慰められも、ましてや救われもしないのだ。

(今のままじゃ誰も幸せになれない、)
俺も、彼女も、彼女が好きなあいつも、あいつが好きなあの子も。

(だからって、俺にできることなんて、)

いつもそう考えては、俺はため息をつく。意気地なし。

きみを救えた試しが無い




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