皮膚を纏わずとも
氷みたいだ。私は彼女の素肌に触れてそう思った。
いつも、不似合いなパステルカラーの手袋に包まれているそれはひどくやわらかくて、まるで私の手とは正反対だった。
「どうしたの?」
彼女が首をかしげる。なんでもない、と私は言う。なら別にいいのだけど、と彼女は首をかしげる。
「ねぇ、あなたの手って、マグマのように暖かいね」
「……それは暖かいじゃなくて、熱いの間違いじゃないの」
そう?彼女はまた首をかしげる。まぁいいや、と私は何も考えないことにした。
皮膚を纏わずとも
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テーマ「人外ファンタジー」
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