ひとりでできるのに

私の手首は彼の手のひらにあまるほどの細さで、たしかに彼から見れば頼りないのだ。私という人間は。知っている。彼は私なぞと違って社会的にも一個人としても、いわゆる"優秀な人"で私はただの、不器用な一般人なのだ。
けれど、その優秀な一握りの人間がすべてのことを済ませてしまうなんてそんなことあってはならないことだ、と私は思う。
「だから、だからね、ノボリ。」
無理だけはしないで。

ひとりでできるのに




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