裏側を暴かないで
私、だって汚い女の子だもの。彼女はそう言って笑った。
「べつに、別にスガワラ君のことが嫌いなわけじゃ、ないのよ。
けれどね、きれいで格好いいスガワラ君ととろくさい不細工な女の子、つりあわないと思うのよ」
彼女は自分を卑下しながらぞっとするほど綺麗に笑う。
「どうして、そうやって自分を悪く言うのさ」
心持ち冗談めかした口調で、俺は彼女に聞いた。
彼女はより一層笑顔を深くした。ぎゅ、と長袖をまくりあげる。
「だってね、私こんなのだもの
彼女の白い肌には、一面の青い痣が貼りついていた。
裏側を暴かないで
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