震える夜に犯される

目を覚ますと雁夜さんがいなかった。

ばっ、と慌てて起き上がるといつも置物のように傍らに佇んでいるバーサーカーも不在で、きっと彼らは聖杯戦争へ出向いたのだろう。それについて私がとやかく言える義理はない。

彼は大切な初恋の人の娘さんを助けるためにがんばっているのだ(そんな軽くいえるものではないけど)

ぎゅうとシーツを無意識に握り締める。今日は随分冷え込むなぁとぼんやり思う。

彼は体温が低いから、路地裏でうずくまってたりなどしたらきっと、冷え切って死んでしまう。

今すぐ外へ出たいけれどそんなことをしたら彼に余計な心配をかけてしまう。

自分にそう言い聞かせ、毛布を頭までかぶった。

(情けない)

震える夜に犯される



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