はしたないわ

時臣さんは素敵な方だ。第一印象がまずそれだった。

つまらない、とパーティーを抜け出して遊んでいたら危うく池に落ちそうになった私を助けてくれたのが彼だった。

私より少しばかり年上の彼は、優秀なのにそれを鼻にかけず更に高みを目指すような、そんな人だった。

ちなみに彼には綺麗な許婚もいる。私の出る幕はない。
けれど別にそれでもいいのだ。だってこれは恋慕じゃないからだ。

ところで今日は彼の家との茶会だ。彼に会えるというだけで簡単に浮き足だってしまう自分を戒める。だって彼に注意されてしまう。

「はしたないよ」

もしそんなことを言われたら頬が赤くなってしまう。あぁ、はしたないわ

はしたないわ



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