慣れた手付きで

手馴れている、と彼と会うたびに思う。

たとえば髪を撫でる強さ。たとえば脱がせるときの手つき。

(なんだかなぁ、なんだか、ね)

まぁわかっていたことではあるのだ。しかも今に始まったことではないのだ。

しかし何故自分はそうやって、自分に言い聞かせているのだろうか。

「ねぇクダリ、あなたいつか刺されると思うわ」

「それだったら君に刺されて死ぬのがいいなぁ」

彼は服を脱がせる手を止めない。

「ねぇそれ、誰にでも言ってるでしょ」

ばれた?と彼は舌を出した

慣れた手付きで



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