同じ目をしている

同じ目をしているのだ。彼らは。だから私に彼らの見分けはつかない。

一対の目がにんまりと三日月形に細められる。

「逃げられると、お思いですか」

白い服の彼が言う。黒い服の彼は明るい声でそれに同調した。何かがおかしいとは思うものの、具体的な違和感の正体は掴めず仕舞いだ。

「ねぇ。クダリ、ノボリ、」

こんなことをして楽しいの、と私は聞く。

楽しいに決まっている、というようなことを彼らは口をそろえて、歌うように言った。

同じ眼をしている




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