踏みつけてあげる
「ねぇ黄瀬、踏ませて」
俺の彼女は突然変なことを言い出すことに定評がある。
しかも満面の笑み(かわいい)で何の恥じらいもなく彼女はそう要求してくる。
おうちデートなう、なことだし俺はまぁいいか、程度で彼女の座っているベッドのあたりに四つんばいになる。
彼女が足を乗せた感覚。ぐにぐにと足を動かしているのがわかる。
(あ、案外いいかも)
念のため言っておきたいけれど俺は断じてマゾではない。
彼女はしばらくして満足そうに足を上げる。
「あ、ねぇ、ご褒美はないんスか」
「ご褒美?」
至極簡単なことっス。と俺は顔をぐいと近づける。
「名前で呼んで」
みるみるうちに顔が赤くなる。踏むのはよくて、名前を呼ぶのはアウトだという彼女の貞操観念は甚だしく不明だけれど
踏みつけてあげる
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