純潔は樹海に置いてきた

客観的にも主観的にも、外見も内面もかわいらしい後輩に押し倒されるなんてそんなどこのエロゲだろうか。なんて冗談はほどほどに。

それにしても俺の下腹部にまたがった後輩さんはとても嬉しそうな顔をしている。いわく、私先輩のことが好きなんです。そのセリフがぜんぜん嬉しくない、なんて言ったら嘘になる。

しかし俺の次の台詞はこうだ。

「衛宮の次は俺?」


しばし時間停止。すると後輩さんの右手が上げられゆっくりと俺の顔の辺りに伸ばされる。まばたきせずに見つめていると、彼女は俺の頬に触れた。

「ふふ、すべすべですね。男の人なのに」

殴られるかと思いました?とまた楽しそうに言った。

「そりゃあ殴られるだけのことを言った自覚があるからね」

「先輩のそういうところ、とくに好きですよ、私が好きになった男の人の中では、たぶん三番目です」

三番目、というのが順序なのか順位なのかはわからないけれど、とにもかくにも俺は彼女の手をさりげなくどけた。

「月並みな注意だけれど、こういう行為は互いに愛し合っている人とするものだよ」

すると彼女は自嘲するように唇の端をゆがめた。

「だって先輩、私とっくに

純潔は樹海に置いてきた



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