心地よい恐怖
「負けることは怖くないんですか」
最近覚えた「厳選」の途中に生まれたヨーテリーを胸に抱きながら私は彼にそう訊いた
「怖いよ。怖くないわけないじゃあないか」
笑顔のままで彼はそう言う。手のひらのバチュルに彼の視線は注がれている。
「でもね、それ以上に楽しいんだよ」
ならなぜバトルが好きなんです、と聞く前に彼はそう重ねて言った。
「君もそのうち分かるようになるさ」
僕のところにたどり着けるころには。
「いつになることやら」
そう自嘲するように言ったけれど彼は、いつまでも待つよ。と真剣な声色でそう言った。
心地よい恐怖
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