輪郭は静かに歪む
ぐにゃり、と見ている景色が滲んでいく。
彼や彼の横で笑っている女の子。滲んでしまえば可愛いかどうかなんて関係ない。
うぇ、としゃくり上げそうになって慌てて堪える。泣くな。声を出したら見つかるだろう。
馬鹿だ。私は馬鹿だ。それに黄瀬だって馬鹿だ。あんな女にたらしこまれるなんて。
でも、私はあんな女に負けたのだ。し、そんな女に騙される程度の男を好きになったのだ。
あほらしい。早く、早く帰ろう。
輪郭は静かに歪む
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