混ざりあっていたいだけ


一体どれくらいの間、手を繋いでいたらお互いの境界線がなくなるのだろう。

なんて、そんな幼稚なことを言ったら彼に笑われてしまうかもしれない。

なんせ彼は年相応あるいはそれ以上に大人びているのだ。

だから私は何にも言わず、ただ彼の手を握り締めた。

別に彼には、言いたいことの半分も伝わらなくて構わないのだ。


「このまま、溶けて一つになってしまえればどんなにいいでしょうね」

私が思っていることをそのまま、彼が呟いた。驚いて彼を見る。

そのときにうっかり離してしまいそうになった手を彼は何気なく捕まえた。

「私はたしかに大人びているとよく言われますが、それなりにロマンチストなのですよ」
自分でそんなこと言っちゃうなんてらしくないですよ、とそう言ったのはただの照れ隠しである。

混ざりあっていたいだけ



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