引き裂くように両手を広げて
彼が両手を広げた瞬間たしかに私の世界の中心は彼だと分かった。
海と空と、それから太陽を背にした彼は黒くシルエットで浮かび上がった。
だから笑っているとかそういった表情は私には見えないはずなのだ。けれど、私には彼が笑っているのが分かった。
私が彼の苗字を呼ぶと彼は大きく手を振った。まるで自分はここにいると主張するように。
お前も来いよー!と彼が呼ぶので私は迷わず、彼の元へ走り出した。
引き裂くように両手を広げて
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