あなたの手が温かいということ
血が通った人間とは思えないほど精密なバトルをしますね。
エリートトレーナーのお兄さん(ジャッジさんではない、念のため)が、そうノボリさんのことを形容していたのを私は聞いた。
ノボリさんはそれにそうでしょうかだのありがとうございましただのと無難に答えを返していた。
「でも、人間に対しての褒め言葉なのですか、それ」
「どうなのでしょうね、しかし言われ慣れているものですから、今更どうとも思いませんが」
彼が何事もないように言うならば実際そうなのだろう。
「こんなに温かい手をしているのに」
握った手を軽く振ると、彼は何も言わずぎゅうと更に強く手を握ってきた。
あなたの手が温かいということ
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