溺れる真似をする

「だって溺れても死なないでしょう?」

私がそう言うと彼はその紫の目を細めて笑った。死なないね。

「だからと言って溺れて見せろというのは少々不穏当じゃないかい、」

「そう?」

私は彼の肩に顎を乗せた。

「そもそも俺が今溺れたら君も共倒れだろうに」

「むしろ、私だけが死ぬと思うのよ」

溺れ死ぬのはお勧めしないよ、火あぶりの次に。そう彼は背中に負ぶった私に対して呟いた。

溺れる真似をする



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