ひやり、と彼女の人差し指だったものに私は触れました。
ばらばらになった彼女だったそれらは、月光をすかしてみると青白く透き通り、本当に私と同じ種類の生物だったのかすら疑わしくなります。
まだかろうじて残っているかすかな血色を私は愛おしく思いました。
食卓の上の水槽にはさっきホルマリン漬けにしたばかりの彼女の首がぷかりと浮いていました。
そして台所には、小分けにして瓶詰めにした彼女の髪の毛の一部、切った爪、眼球が並んでおります。
彼女の薬指――これは左でしょうか、をつまみ口に放り込み、そのまま嚥下しました。
あぁ、なんて甘美なのでしょう。
「いただきます。」
かのじょのきれいなからだをわたしのものにできたこうふくかんでわたしはみたされていました
もう、何も必要としないくらいに。
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