※花食・苗床人間・嘔吐注意
朝起きて、彼女の吐いた花を食卓に運びます。彼女の唾液で濡れたそれらはてらてらと朝日を反射していました
彼女はまだ花を吐いている途中でしたので、朝食は遅らせるべきでしょう。
幸いにも今日は休日ですので、時間は何分沢山あります
嗚咽にも似た彼女の喘ぎ声を聞きながら、私は彼女の為にコーヒーを淹れトーストを食卓に乗せました。
程なくして彼女の声がぴたりと止んだので、様子を見に行くと彼女はまるで情事の後のように力なくくたりと横たわっていました。
虚ろに潤んだ瞳で私を見上げ、おはようございます、と息も絶え絶えに彼女を抱き上げ、食卓に座らせました。
そして私は彼女の向かいに座り、朝食にします。
今日の朝食は、彼女はトースト、私は彼女の吐いた青い花。
さく、と彼女がトーストをかじる音が二人きりの部屋に響きました。
トーストをあっという間に食べ終えた彼女は、自らの吐いた花を食べている私をじぃと見て、私の唾液まみれのこんな花よりもっと綺麗な花はたくさんあるでしょうと呟きました。
私はいいえ、と口の中の花をすっかり嚥下してから答えました。
私にとっては貴女様の吐いた花こそ唯一の食品なのです。
すると彼女は嬉しそうに微笑んでコーヒーをすすりました。
えぇそうですまったく呆れたことに私は、彼女のその吐く青い花しか、口にすることはできないのです。
「ところで、今日は休日ですから、昼食はパスタにでもしましょうか」
今日は一日一緒でございます、と私が言うと彼女は幸せそうな笑顔になりました。
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