とある日の


今日は珍しく、一般用ホームの仕事を任されておりました
単に人手が足りなかっただけらしく、何のことはないただの通勤ラッシュ時の監視(何分最近転落死なさった方がいらっしゃるので)です。

それにしても人の居るこのホームに来るのは、彼女が存命していたあの時以来なので、随分久方ぶりとなりますかね。

そう思いながら顔を上げると、人並みが一瞬途切れ見えた向こうのホームに彼女が立っていたのがちらりと見えました。

(向こうのホーム?)

ちらと感じた違和感の招待はすぐに分かりました。

それはそうでしょう、なぜなら向こうにホームなどないのですから。

それより何故彼女がいるのでしょうかあの時私が確かに突き落としたはずだというのに。

(あぁでもあれはそもそも彼女がいけないのです彼女が私を拒んだのが、彼女が私を受けいてていればこんなことには)

急に周囲の音が大きくなったように感じました気が付くと私はふらふらと前に出ていたようでしたくすんだ色をしているはずの黄色い線がいやにあざやかに見えて、

私が反射的に後ろを振り向いたその瞬間、白魚のような手が私をとん、と線路に突き落としました。その手は私の見間違えるはずもありません、確かに彼女のものでした。

自分が落ちていくのがいやにゆっくりに感じられました。

耳慣れたクラクションと、確かな振動が私を貫いてゆきました

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前々から暖めていた自己中心的なノボリさん




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