赤に白地のパッケージのチョコレート


「やっぱり一時的なこととはいえ、何もお礼しないのはまずいと思って」

だから明日はお昼用意しないでね。

彼女からそう連絡が入っていた。それに明日のお弁当の担当は都合よくノボリだったのでしれっとさり気なくそのことを伝える。

「明日さぁ、僕お弁当いらない」

「おや、何かあるのですか?」

「いや、特に何があるってわけでもないんだけど!」

そうですか、とノボリは深く追求せずに読みかけの書類に目を戻した。

「ねぇノボリ。アケビの好きなお菓子ってなんだろう」

「そんなのあなたの方がよく知ってるでしょうに」

余裕ぶって言われたのがなんだか気に食わなかったので捨て台詞を言って布団にもぐった。

「そういえばノボリさぁ、あの子と一緒に帰った感想はどうよ」

なんかノボリがごにょごにょ言っていたような気もするけど僕は無視して目を閉じた。

(あぁ、チョコレート系が好きだったな思い出した。クレープもいっつもその味だったもんな)