ゴミ袋1つ1キログラム未満※ただしかさばる


基本的に一番汚いのは勿論始発ホームである。

ヤブクロンがぱくぱくと空き缶を拾い集め食べているのを見る度毎回思うのだが、食べすぎはよくないんじゃないだろうか。

そう思いつつゴミ袋を広げる。

ばさばさと空のペットボトルを放り込み、たまにある落し物を回収してから(どうせ引き取り手はいないのだろうけど)よいしょと私は満杯になったゴミ袋を担ぎ上げた。

そういえば今日は彼の落し物はなかったな。ちゃんと気をつけていたのかもしくは、今日はずっとトレインの中なのか(いやでも、日ごろの挑戦者の数的からして後者はないか)

真ん中のホームを片付けて最終ホームへ向かう。

ちょうど電車が停止して、開いたドアから彼と挑戦者が降りてきた。

挑戦者の女の子、私より少し年下だろうか。

「さすが、サブウェイマスターはお強いですね」

少しだけ残念そうに眉を下げて彼女は笑った。

可愛い子だなぁ、と思いながらゴミ袋の口を縛る。

さすがに結構な量になったそれらを一気に持ち上げようとした時、横からクダリが手を伸ばして四袋中三袋を掻っ攫って言った。

「さっきの子、すっごく強かった。僕もつい本気出しちゃった。」

ノボリもね、きっとそう

そう呟いて彼はゴミ袋を下げたま歩きだした。

私がそれを慌てて取り替えそうとしても彼はそれを軽く受け流して、結局最後まで三袋運びきったのである。