「馬鹿!ほんとノボリって馬鹿!信じられない!この愚兄!」
「さすがにこればかりはないと思いますわ……」
私はクダリと、レイシ様と入れ違いに来たクラウドに説教されていましtあ。
「レイシ多分泣いてるよ。あーかわいそ」
「早く追いかけてあげてくださいよ。あいつが沈んでるとキャメロンがうるさいんで」
「…………追いかける、と言っても、レイシ様を悲しませてしまった原因を私は把握しておりません」
するとクダリは本気で呆れた顔をしました。
「レイシがノボリにいろいろと勘違いされたからでしょ、第一さぁ、」
レイシに彼氏ができたって思ったとき、ノボリはどう思ったの?
クダリが私にそう問いかけてきました。
「……あまり気持ちのいいものではありませんでした。素直に祝福はできません。」
何より、レイシ様が告白された瞬間に思ったのが、
「私のほうがレイシ様を幸せにできると思うのです。」
ベタ惚れやないか、とクラウドが呟きました。
あぁ、今更自覚したのです。我ながら愚鈍だとは思うのですが、私はレイシ様のことを好いているようです。
すると私はレイシ様に先ほど言ったあのことを訂正せねばなりません。大体私の勘違いだったわけですし。(そういえばクダリはすべて知っていたのに黙っていたのです。我が弟ながらいい性格をしています)
しかしクダリへの追求は後にして、まずは
「レイシ様に正直に打ち明けるべきでしょう」
うん、とクダリはうなずき、がんばってよ、と私の背中を押しました。
「あぁ、ジャッキーから連絡です黒いボス」
レイシ様の居場所をジャッキーから聞いた私は、たまらず駆け出していました。
あぁサブウェイマスターがこんなことをしてしまうのは大変はしたないと思うのですが、今回ばかりはしょうがないといえましょう。
レイシ様がいると聞いた、使われていない無人のホームが見えました。