ずいぶんと大事になっているようだった


「最近さぁ、ギアステーション、人増えた気がする」

そう私の隣で言っているのはトウコちゃん。ちなみに今は二人でシングルの七両目の座席に二人で座っている。彼女とは最近仲良くなった。これで戦うのは三回目で二勝一敗。

「あぁうん、ノボリさんもそれは言ってた。挑戦者が増えるのはいいことなんだけど」

でも最近やけに見られている気がする。いろんな人に。

「戦い終わった後握手とか求めてくる人増えたし……」

それに隠し撮りとかして捕まった奴結構いる!とはクダリさんの弁。

「……あぁ、そういう事」

トウコちゃんはなんだか納得したような顔で鞄の中からごそごそと雑誌を取り出す。

どうやら三流ゴシップ誌のようだ。この前のカミツレさんのギアステイベントが特集らしい。

トウコちゃんはその特集のページを開いた。

「ここよここ」

そこには、カミツレさんが私の頬にキスしている写真が、荒い画質で載っていた。

トウコちゃん曰く

「画像荒いけど充分個人の特定はできるわ。それにてつどういんの制服着た女の子なんてレイシちゃんしかいないし。」

「でもなんでそれで挑戦者さん増えたの?」

「……そもそもカミツレさんがこんなことしたってので話題性充分。それにこの写真で相手が可愛いのも分かる。即席アイドルの誕生よ」

呆れた顔でそう説明するトウコちゃん。

「えー……」

私はそこまで自分が可愛いと思ったことはないし、そもそもなんでトウコちゃんはこの雑誌持ってたんだろう。

「ノボリさんに、あなたのとこの部下がこんなところで晒し上げくらってますよってチクる為よ」

見透かされている。

「どうせこれ14勝目だし、レイシちゃんも一緒に行く?当事者だし」

「えぇえいいよ仕事中だし……」

それもそうね、とトウコちゃんがあっさりひいたところでちょうどホームについた。