どうやら十二分に仲のいい職場のようだ


シンゲンさんにいろいろ説明してもらいながら、案内されたのは、どうやら駅員室である。

クラウドさんがドアを開け先にずかずか入ってくる。

シンゲンさんが、「新人サン連レテキマシタヨー」と私を紹介してくれた。

「本日からバトルスタッフとして配属された、レイシです。」

よろしくお願いします、と頭を下げ、そして顔を上げると、すぐ目の前に金髪のイケメンの顔があった。

そのイケメンにがしりと手をつかまれ、満面の笑みで

「ハジメマシテオ嬢サン!今晩オレト食事シナイ?」

モチロン食事ダケジャナクテモ、とイケメンが言いかけたところでクラウドさんの鉄拳制裁が炸裂した。

「ちゃんと自己紹介せいや!」

クラウドさんがイケメンをにらむ。

「ハーイ、キャメロンデス、レイシチャンヨロシクネー」

イケメンもといキャメロンさんを皮切りに他の人たちも次々に自己紹介してくれる。

「僕はトトメス、以後お見知りおきを」

芝居がかった動作でウインクするトトメスさん。

「ラムセスです、よろしくね」

ぺこりと一例するラムセスさん。それにしてもイケメンばかりであるこの職場。

サブウェイマスターのお二人もイケメンだし、そういえばこの街のジムリーダーであるカミツレさんはスーパーモデルである。

ライモンにはイケメンがあつまる何かがあるのだろうか。

「ソウイエバサッキ、ジャッキーカラ連絡来テタヨ。カズマサ回収シタッテ」

ジャアモウスグ戻ッテ来マスネ、とシンゲンさん。まだ他にもてつどういんさん達いるのか。

するとドアが開いて二人入ってきた。

「はじめましてバトルスタッフさん!カズマサです!」

「……ジャッキーです」

はつらつと自己紹介したカズマサさんは私より少し年下だろうか。

そのカズマサさんと対照的な印象のジャッキーさんは私よりずいぶん年下に見える。というかまだ未成年じゃなかろうか。

不思議に思ったのが顔に出たのか、クラウドさんが仏頂面ながら説明してくれた。

「ジャッキーはギアステーションで育った孤児なんや。だから電車の運転もバトルもここにいる誰よりもできる。」

ちなみにカズマサはただのアホや、とクラウドさん。

「ひっどいなー方向音痴なだけですよ?」

カナリ酷インデスケドネ?とシンゲンさん。

「彼の回収は新人の仕事だからねぇ、多分レイシも行かされるんじゃないかな?」

トトメスさんが優雅に首を傾げて言った。