初勤務というのはやはり緊張するものである


正式に働くまで数日余裕があったはずなのに、引越しやら働く手続きやらで飛ぶように過ぎて行った。

そして今日が勤務初日である。

私はノボリさんに連れられて、てつどういんの先輩方に挨拶しにいった。

まず二人遭遇した。

「はじめまして、本日付でバトルスタッフとして働くことになりました、レイシです。」
「クラウド、シンゲン、あとはよろしくお願いします。」

ノボリさんはクラウドさんとシンゲンさんに私のことを簡単に説明した後、そう言って去っていった。

残された私とクラウドさんとシンゲンさん。

クラウドさんはノボリさんよりもう少し年上に見える。シンゲンさんは私とほとんど同じくらいの年だろうか。

クラウドさんが私をじろじろと見る。

「?」

「えぇか、俺はお前のバトルしか認めてへんからな!」

そうクラウドさんは私に指を突きつけると、ずかずか先へと歩いていった。

私がぽかんとしていると、シンゲンさんが苦笑して、気ニシナイデクダサイ、と言った

「男所帯ニ女性ガ一人ダケトイウコトデ心配シテイルンデスヨ」

悪イ人デハナインデス、とシンゲンさん。

「デハ行キマショウカ」

「はい」

よろしくお願いします、と私が言うとコチラコソ、とシンゲンさんが笑う。

「早うせいや!」

クラウドさんの怒鳴り声が聞こえたので二人であわてて追いかけた。