Story
恒温動物


彼の手はどちらも冷たい。彼の自前の手も作り物の方も。


「低体温だよな」


「そうかぁ?」


お前の手があったかいんだろぉ、と彼は言う。


「でも俺もそこまで体温高い方じゃないし」


「いやでも充分あったかいぞぉ」


そう言ってぎゅううと手を握ってくる。


「そりゃスクアーロが死人並の体温だから」


「お前生身の方の手ぇ握ってそれはねぇだろぉ……」


義手ならともかくよぉ、と彼は少し落ち込むそぶりを見せる。


「別に死人並の体温とかまぁどうでもいいんだけどね」


彼が怪訝な顔をする。


「スクアーロがこうして生きてれば別に体温なんて俺はいらない」


彼は少しだけきょとんとした(珍しい表情である)後意味をやっと飲み込むとお前本当に可愛い事言うよなぁ!と抱きしめられた。


「さすがに暑い!」


「でも嫌じゃねぇだろぉ?」


全部分かっているといった風な表情に一瞬だけイラッとしたのでとりあえず生身の方の手を強めにつねっておいた。




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柚夏リク/スクアーロと夢主
こいつを書くのが久々すぎていろいろおかしいけれども。
懐かしかったです。
リクありがとうございましたー!
お持ち帰り/返品は柚夏のみ可!


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