Story
嗚咽


理事長室のドアがノックも無しにばあんと開いた。


こんな事する奴を私は一人しか知らない。


そしてそんな事する奴がこれから増えるとも思わない。むしろ増えるな


「獅郎」


「久しぶりだなメフィスト」


「本当ですよ、この私を放っておくなんて」


「まーまーそうカリカリすんなよ。」


「誰のせいだと思ってるんですか?」


「俺の事を好きすぎるメフィストのせいでーす」


「すいません私が理解できる言語でしゃべって下さい。」


「素直じゃねぇなぁ」


「いや私のこの不機嫌の原因は100対マイナス50くらいであなたのせいですよ」


「そうかー……?」


「そうですよ。」


責任とってくださいよと彼から顔をそむける。


「責任とればいいのか?」


「そうです」


よしわかったと彼の声がやけに近くに、具体的には耳元で聞こえたかと思うと
ちゅ、と音がした。


「責任とったぞ」


「……馬鹿ですかあなた。一度頭冷やしてきてください。」


いや違う、一度頭を冷やすべきなのは自分だ。


彼はもう死んだのだ。これは自分の夢なのだ。


彼が死んでから夢を見るようになった。悪魔が夢を見るなんて知らなかった。


「メフィスト!?何泣いてんだ!?」


「……なんでも、ありません」


そうしてまた今日も自分の嗚咽で目を覚ます。




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風蘭さまリク/藤メフィ切甘
切甘というより持ち上げて落とす話になってしまいました。最悪じゃねぇか。
しかし書いてる本人は楽しかったです。藤メフィ切甘はガチ。
返品は風蘭さまのみ可ですー!


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