Story
数え切れないほどの人間を殺してきた。
ほとんどは正当防衛だけれども、それが楽しかったのも事実だ。
(だってなぁ、殺されたくねぇし)
本能に従った結果ともいえる。
当然人間には疎まれてきた。別に直接敵意を持って襲ったわけでもないけれど。
(そりゃあ怖いよなぁ)
だからこんな山奥に住んでいるのだ。
たずねてくるやつなんていない山奥に。
けれど、今日はドアを叩く音がした。
「すいませーん」
今は真昼間だし満月もまだ遠いので、普通にドアを開ける。
居たのはごつい猟銃を背負った女である。
「どうしたんだぁ?」
「はじめまして、ゴーストバスターです」
このあたりで狼人間見ませんでした?と小首をかしげる女。
山奥にこんな人家があったら疑ってしかるべきだろうに。馬鹿正直にそこまでもらして
どうする。
「あ゛ーー……見てねぇな」
こんくらいの嘘はいいだろう。
俺がそう言うと、女は笑ってありがとうございますと礼を言った。
「……にしてもどうしてこんな満月じゃない時期に来たんだぁ?」
基本的に満月で狼になって、言い逃れが出来ない状況で殺しに来た奴が多かったので、そこは純粋な疑問だった。
すると奴は、簡単な事ですよと答えた。
「今なら狼人間さんとは和解しておきたいじゃないですか」
それでは、と頭を下げたその女に俺は柄にもなく、
(惚れた、のかぁ?)
とりあえず女を呼び止めるべく手を伸ばした。
------------------------------コンセプトは頭の足りないスクアーロでした。どんなだ。
この後多分スクアーロが夢主にほれ込んで云々。
銀狼ですね。鮫なのに狼ですね。
猟銃は相当ごついはずです。狩人ェ。
そのくせ平和主義というよく分からない人です。
あとこれでハロウィン完遂です。お付き合いいただきありがとうございます!