Story
七夕についての彼と彼女の考え。


雨、だなぁ


と、隣でだみ声が聞こえた。


「雨だねぇ」


七夕の日に限ってね、と私が呟くと彼もそうだなぁ、と呟いた。


「これじゃあ短冊も雨でぐずぐずになっちゃうね」


「何が書いてあるか読めなきゃ叶えようもないだろうしなぁ」


「確かに」


二人で現実的なのかそうじゃないのかわからない会話を広間のソファーで続けていると通りかかったルッスに呆れられた。


しかしながら今日は休日なので、呆れられはしても(ベルやらフランやらに)咎められは
せず、二人でだらだらと過ごす。


「ねぇ、スクアーロ、スクの部屋で喋ろうか」


「いいぞぉ」


関係ない話だが、スクアーロの部屋のベッドには私専用の実物大鮫枕が常備されている。


帰りが遅くなった際、入り口から少しでも近い方のスクアーロの部屋で寝落ちしてしまう事があまりにも多い為である。


二人で寝転がっても余裕のあるベッドで取りとめのない会話を再開。


「雨、夜には止むかな?」


「雨が止んでも雲が晴れなきゃなぁ」


「あ。でもほら、一ヶ月後にもチャンスはあるから。」


「?」


スクアーロに怪訝そうな顔をされた。


「一ヵ月後の八月七日。旧暦の七月七日にも七夕祭りはあるんだよ」


「なるほどなぁ」


そこなら確かに晴れるだろうしなぁ、と感心した様子のスクアーロ。


「だから一ヶ月間、お願いを大事に考えておくという事で」


「考えるまでもねぇけどなぁ?」


「というと?」


「俺の願い事なんて、いくら考えても、お前と一緒に居られるように、くらいしか思いつかねぇんだぁ」


「奇遇だね、スクアーロ。私も同じだよ」


「だろぉ?」


思わず彼と二人で笑いあった。



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優果リク/七夕話。
旧暦をネタにすることは決まっていたんですが、
もう旧暦すら過ぎている事実。ごめんなさいそしてry
こんな熟年夫婦(笑)みたいな作品でも受け取ってくれれば幸い。
返品、転載は優果のみ可能ですよー!


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